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ドラゴンクエスト7の謎

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ドラゴンクエスト7の謎2(追加事項)に続く

ドラクエ7の謎さらに追記 に続く

ドラクエ7の謎補足に続く

ドラゴンクエスト8の記事も読む

 ※注:本文は7リメイク版には対応しておりません。PS版の、それも没ネタに関する話題を扱っております。(2013以降)

ドラゴンクエスト7の最後の敵は
構想段階では主人公の親友「キーファ・グラン」で、
この話は仲良し二人が勇者と魔王として対峙せねばならなくなった悲劇だったのを
あまりに暗いオチなのであわてて取り下げたりしていなかったか。

そして、その跡をカモフラージュするために
「絶対キーファが言いそうもない」中性的な台詞をラスボスに言わせた…

 この説は乱暴だ。
 しかし、この説を一笑に付した人でも、ドラクエ7には「何だこの消化不良のイベントは!」と言いたくなる局面が多かったとは思うだろう。
 それら謎の部分を「キーファラスボス説」で考えると結構しっくり来る。ぜひご一考して欲しい。
 以下、キーファやデミーラに関する謎の部分について。

☆「俺の運命をがらっと変えてしまう何かが」発言の謎。

 なぞの神殿を開ける時、キーファはこの神殿には俺の運命を変えてしまう何かがあると言った。
 不思議な石板を使い異世界に出て大冒険したことや、国を捨ててライラと結婚したことがそれにあたるのかもしれない。
 しかしどうも、見ているこっちにとってはちょっと弱い。

☆リーサの謎。

 お兄さんが居なくなって辛いから、キーファの話題を引っ張るのはわかる。
 しかし、テレビゲームとしては……終わったイベントの話題を引っ張るのはしつこいとわたしは感じてしまった。
 まあ、あれだけ引っ張るからにはどこかでキーファが話に絡んでくるのかな、とわくわくしながらゲームを進めていたわたしであった。しかしふたを開けてみれば、キーファは序盤でフェードアウトしたまま。(2013追記、そのまま最後までキーファが全く出てこないのは予想できなかった。驚いたプレイヤーが非常に多いと思われる。)

☆アイラの謎。

 キーファの子孫として登場したアイラ。
 ゲームの取扱説明書では、時折見せる寂しげな瞳、どんな過去が隠されているのかなどと書かれている。わたしはてっきり、困った性格のご先祖の事で何かあったのだろうと思ったものだ。
 しかしゲーム中ではそんなそぶりは見えない。

 王者の剣と王家のヨロイを使える事、そんな面白い設定の割りに影が薄いこと。気になる。
 思うに、アイラはグランエスタードに伝わる王者の剣と王家のヨロイを譲り受け、世界を救う偉業に貢献する。「魔王となった(2013追記、さすがに魔王だとまでは知らないだろうと思われる。パルナのように複雑な事情で死んだことなどが予想される)キーファを先祖に持つ」という暗い過去を克服して主人公とともに戦う…そんな役どころだったのではないか。
 
 しかしゲーム中の表現では、王の武具を譲り受けるシーンはただ最後の鍵を使って蔵からそれらの武具を盗み出すというだけであり、弱すぎた。

☆オルゴ・デミーラの謎。

 最後の敵オルゴ・デミーラには人間形態と大ムカデのような形態の二つがあった。
 人間形態は、ゲーム中では所謂おネエキャラだという設定だった。
 しかしどこかおかしい。人間形態は長髪だというだけで、まるで女性的には見えなかった。そりゃクチビル赤いが、これもどちらかといえば化け物やバンドマンの隈取に見えるぞ。元々開発者は、彼の容姿について「ビジュアル系」とだけ述べていた。
 ……それにあのハデな赤い服!!わたしには、キーファを25~38歳くらいにふけさせたようにしか見えない。白状しよう、説の発端はデミーラ人間形態の容姿だった。
 顔の輪郭、体格、腕組みをしたポーズやあごを上げて笑う姿、派手な赤い服、全体的な雰囲気、よく見て頂きたい。
 (2013追記)解説書やパッケージのイラストにあるキーファの姿を髣髴とさせる。親友とラスボスが、これだけ似ていて偶然似たというのも苦しい。
 更に言えば、ムカデ形態は、中性的な人物がなりたがる形態にはとても見えない。醜すぎる。あれは、怒りとうらみに燃えた男が、力を誇示しようとしてとる形態だ。そんな気がした。
 
 (2013追記:もちろんオルゴ・デミーラの人格は、お日様ボールがどうとか言っていたキーファとはまるで違うかのように見える。
 しかし、4のデスピサロが最終的にもとの人格を失った事を考えると、そういうこともあるのではないか。)

☆溶けた謎。

 ムカデ形態の状態でぼろぼろになりながらなおも襲い掛かってきていたデミーラを遂に倒した。
 するとデミーラの体がどろどろに溶け崩れ…そしてあっけなくパッと消えたのである。

 点滅ぐらいしてくれよおー。
 このせいでデミーラの印象は弱い。溶ける表現にかなり手をかけていたのに、その後パッと消えたら片手落ちだ。なんだ、これは。

 余談だが、ドラゴンクエスト4でのデスピサロの最期は、進化の秘法で膨らました体が崩れ、消滅する寸前に一瞬美形のピサロの姿になるというものだった。

 キーファやデミーラに直接関係有る謎のほかにも謎がある。重要なものとして、主人公関連の謎。

☆主人公とホンダラ、そして伝説の英雄メルビンの謎。

 主人公は漁師の父を持ち、伝説の海賊王を前世の父に持つ。しかし、グラフィックはどちらにも全く似ておらず、また伝説の海賊王との関連イベント(水龍の剣を譲り受ける話)はどうにもウザく、取って付けた様な印象がなくもなかった。「海賊ネタ」。ずばり勇者様ではない主人公の設定は、一見ちょっと捻った様に見えて感心されるかもしれないが、わたしには当時少年ジャンプで絶賛されていた海賊漫画の影響としか思えなかった。
 この主人公、物語の中で船乗りの能力が強調されていた印象が意外とない。むしろ何にでも強い能力値など、勇者の能力が出ている様に思える。

 さて、主人公の親族の中で最も彼に似ているのは、叔父のホンダラである。力仕事に向かなさそうな体格、道化師風のいでたち、どうにもよく似ている。
 ホンダラは怠け者だが、じつは魔法の宝を探し出す体力と才能、売りつける先を探す人脈を持ったなかなかの大物だ。そんな彼は、主人公だけでなく伝説の英雄メルビンとの類似点も多い。
 ある段階の構想では、主人公とホンダラと伝説の英雄メルビンにはもっと密接な関係があったのではないか。
 ホンダラおじさんにはメルビンの血、勇者の血が流れているため「宝探しが得意」というドラゴンクエストの主人公に通じる特徴がでてきていたのでは。

 主人公の家の先祖はメルビン。つまり、主人公の先祖はメルビン。主人公の宿命はずばり勇者様。
 言うなれば、竹馬の友であった主人公とキーファが、勇者と魔王として対決せねばならなくなったという悲劇の話だったのではないか、このドラクエ7は。

☆漁師になった事の謎。

 好奇心いっぱい、謎の神殿を調べまくった反逆児だった主人公が、何故今更冒険に懲りてしまったのか。もし最後の敵=キーファだったら、さすがのあいつでも静かに故郷にこもってしまうかもしれない。

☆石板の謎。

 最後の最後で、魚と一緒に石板が網にかかる。それは不思議な石版ではなく、ライラと結婚してすぐ書いたらしきキーファの手紙だった。「どんなに はなれていても オレたちは 友だちだよな!」という結びの一言が空しく響いて、このゲームは終わる。
 意味が分からない。
 ……じつはこれについて考えているうち、始めに述べた「キーファラスボス説」が確信に近づいたのだ。もしホントにそうなら、 まだ初々しかったころのキーファが出した手紙が今頃届いた事で主人公が受ける衝撃は、現行版DQ7の数十倍に跳ね上がる。

 ゲーム全体の謎もキーファラスボス説と結びつく。上に並べた謎に比べ、はっきりとは結びつかないが。

☆ネガティヴな物語の謎。

 このゲームの物語は、ぶつ切りだ。魔王によってぶつ切りにされた世界を舞台に、ひとつひとつのエリアでの出来事としてオムニバス的にエピソードが羅列されていく。
 一つ一つのエピソードは分かれているが、全体を貫くモノがある。
 全体を通してネガティヴな感じが漂うている。
 ウッドパルナ、クレージュ、マーディラス、などなど人が魔物と化す話も多い。

 ゲーム全体を見ると、やはりどこか一貫しない感じがする。ラストが安直な魔王退治で終わってしまい、それまで積み上げたネガティヴな世界観があまり生きていなかったから、かもしれない。

 一番はじめの方、ウッドパルナのイベントでキーファは、どこかよくわかって居なさそうだった。「自分はああはならない」という自信がありげに見えた。それが最後の最後で、マチルダと同じ轍を踏み人間に嫌気が差して大魔王と化しました等と言う形で出てきたら、絶対面白いと思う。どうだろうか。

☆マジャスティスの謎。

 鳴り物入りで登場しながら、あまり役に立たなかった封魔の呪文・マジャスティス。
 あれはなんだったのか。
 この呪文は主人公の固有技になっている。こういう固有技があるというのは、天空編の勇者達が呪文の効果解除技「凍てつく波動(天空の剣の能力)」を使っていた事と重なる。勇者のイメージがある技として主人公にこれが持たされたのか、とも思えるが、ゲーム中でこの呪文は浮きまくっていた。
 主人公が「船乗り/海賊」という設定になっており、封魔の呪文とはあまり結びつかなかったからか。
 余談だが、物語の中でマジャスティスは、モンスター化した若き人間キャラ「ゼッペル」を何とかするのに使われていた。

☆ラーの鏡の謎。

 ラーの鏡とは真の姿を映し出す魔鏡の事である。
 何故ラストボス直前でぽつんと出てくる。まあ、「モシャスを使う敵対策」という実際的な理由なんだろうが。
 あるいはラーの鏡をオルゴ・デミーラに対して使うと、キーファの姿が映ったりする予定があったかもしれない。
 …もう完全に想像になるが、先のマジャスティスにラーの鏡と「変身したものが元に戻りそうな」アイテムを総動員しても、年月を経てすっかり変わったキーファは今更取り戻せない等といったシナリオにラーの鏡が使われる予定だったらどうする。
 
 (2013追記:反論として、「偽神事件の際、正体を隠すために鏡を隠した」という説がある。ただしそれでも、不自然に見える。やはりわざわざ見えるところにラーの鏡があり、ぶち壊されてもいなかった、その割に重要なイベントもなかった訳はわからない。
 ラーの鏡関連では他にも、「ドラクエ4ではカジノの景品だったが、それはどう説明するのか」という話があった。しかしカジノにあれば重要アイテムだと思う人は少ないだろう。やはり、7でのようにラストダンジョンで突如出てくると、何かイベントがあると期待してしまう。)

☆そもそも、何故エスタード島のみが残っていたのかという謎。

 そう、これがドラクエ7最大の謎であった。
 ストーリー中では、神が最後の希望として取り置いた事になっている。しかし…何となく釈然としない。大体神様のキャラクターがふざけすぎだ。あれでは、無理やりくっつけたキャラクターみたいである。
 ここでキーファ魔王説を仮に採用してみよう。さすがに自分の故郷は破壊できにくかったとか。エスタード島を封印すると、タイムパラドックスが起きてしまうので仕方なく残したとか。なんだか、面白そうなストーリーを何通りか考え付く。
 (2013追記:よく考えたところ、神が最後の希望とした、ということ自体はやはりあったと思われる。他記事にて説明する)

 堀井氏も、彼の注文を受けて主要キャラを描いた鳥山氏も、力を入れて作り上げたモノを最後の最後で台無しにせざるを得なくなった時の心境は測り知れない。

☆番外おまけ謎。

 キーファの話とは関係ないがおまけのミニ謎として、「マリベルの謎」。ファンにはすまないが…マリベルは、姿といい設定といい、いかにも曰くありげな他5名と比べるとどうも見劣りする。
 確かにドラゴンクエスト4でもトルネコという一見地味なキャラはいたが、彼は 宝のためにインディージョーンズのように危険を冒す変人である事が、序盤で明らかになっている。それに比べるとマリベルにはどうも勇ましいイメージがない。それでいて、すさまじい魔力とすばやさを持った使えるメンバーである。
 何でこのマリベルがこんなに強いかなあー。
 実はマリベルの謎については、堀井雄二が既に白状している。曰く、マリベルは「仲間と話す」システムのために付け足したキャラクターであったと。後付だからどうも練りこまれていなくて、ただただ町の人の台詞などに 反発するキャラになってしまったのか。自分でよくやってしまうからわかるが、「ツッコミにもなっていないツッコミ」が一番作りやすい。
 そしてゲームバランス上強くしたというわけか…。
 (2013追記:他記事にてお詫び・訂正をします)

☆主人公の年齢の謎。

 ところで主人公とマリベルは、本当に公式設定通りの歳なのか。
 実はある場面で話すシステムを使うと、両者とも最近までおねしょしていたという発言が出る。 16歳の男女が話す内容ではない。もしかして、イラストの見た目通り幼いのではないか。
 そう考えると、完璧とは言い難いキーファが妙に大人びた絵柄で描かれていることにも納得はいく、あれは主人公(幼い)から見た姿ではなかったのか…?

☆主人公とホンダラ、そして伝説の英雄メルビンの謎追記。

 攻略本の一種「ドラゴンクエスト7のあるきかた」で、勘違いの例として「主人公の父はホンダラ」という勘違いが載っていたが、確かにこの二人の服装は似ている。
 主人公がわざわざ評判の悪い叔父と同じような服を着る訳が分からない、もしや主人公の本当の父はホンダラだと言う没エピソードがあった?!
 実の親なら、まだホンダラに執着する意味も分かる。

☆溶けた謎追記。

 戦闘画面内で一旦オルゴデミーラは潰れたのに、次の画面でまた立っているのがおかしい。ファミコン時代のように「容量不足でこうなった」と言い訳は出来ない、まさかこの場面も何かが差し替えられている?

 

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